「自分に合ったDAWがわからない」「有名アーティストはどれを使っているの?」
この記事ではDAWを買ってこれから作曲を始める初心者の方や、DAWの買い替えを検討している方に向けて、主要なDAWの機能や得意ジャンルを紹介します。
また、初心者でも安心の無料で始められるDAWも紹介します。
DAWを比較・検討する際の参考になれば幸いです。
そもそもDAW(Digital Audio Workstations)とは?
DAW(Digital Audio Workstation)とは、音楽制作に必要なすべての機能が詰まったソフトウェアのことです。録音・打ち込み・ミキシング・マスタリングなど、制作から仕上げまでを1本で完結できるのが特徴です。
パソコン一台で誰でも自宅でプロクオリティの音楽を作ることができ、今やプロ・アマ問わず多くのクリエイターが使用しています。
DAWはジャンル・目的で選ぶのが失敗回避のポイント
DAW選びで最も重要なのは、「自分に合ったもの」を見極めることです。
「何となく有名だから」「無料だから」と選んでしまうと、後々後悔するケースも…。
以下では、失敗しないための選び方を3つの視点から丁寧に解説します。
自分が作りたいジャンルと相性がいいDAWソフトを選ぶ
世の中には多種多様なDAWが存在しますが、それぞれに得意ジャンルや特化した機能があります。
たとえば、
- EDMやライブ制作には「Ableton Live」
- ボカロやクラシック調なら「Cubase」
- ヒップホップやビートメイクには「FL Studio」
というように、自分の音楽スタイルに合ったDAWを選ぶことが、制作の効率と満足度を大きく左右します。
シャア率の高い有名なDAWソフトを選ぶ
DAWを使っていく中で機能やキーコマンドなどわからないことが出てきた際に、ユーザーが多いDAWだと使い方や解説記事などの情報が充実しています。
自分が持っているパソコンのOSに対応しているDAWを選ぶ
DAWによって対応しているOSが違います。
例えば、Apple社が提供しているLogic pro xはMacしか対応しておらず、Windowsのパソコンでは使用できません。
h2:有名アーティストも愛用!ジャンル別おすすめDAW 6選
ここでは、プロのアーティストも実際に使用している定番DAWを、ジャンルごとに紹介します。
Logic Pro X(Macのみ)【ポップス/R&B/ボカロ】
Logic Pro Xは、Appleが開発・販売しているMac専用のDAWです。
初心者からプロフェッショナルまで幅広く愛用されており、特にポップス、R&B、ヒップホップ、ボカロなど多彩なジャンルに対応可能な万能型のソフトです。米津玄師やYOASOBIのAyase、宇多田ヒカルなどの著名なアーティストが愛用しています。
価格はApple公式で36,800円(買い切り)となっています。
特徴:
- UIが洗練されていて直感的!
- 圧倒的なコストパフォーマンス!
- 3万円台の安さでありながら、即戦力のプラグインを搭載している。
- 作曲支援ツールが豊富。
- 「Drummer」:人間味あるリズムをワンクリックで出力!
- 「Smart Harmony」機能:コード進行を自動で補完し、初心者でも安心!
- 「Live Loops」:アイデアを即構築できます!
- 「Drummer」:人間味あるリズムをワンクリックで出力!
愛用アーティスト: Ayase(YOASOBI)、宇多田ヒカル、米津玄師
Cubase(Windows/Mac)【オーケストラ/ボカロ/アレンジ系】
Cubaseは、ドイツのSteinberg(スタインバーグ)社が開発する、日本で最も人気の高い有名なDAWです。
スコアエディターやMIDI打ち込み機能が非常に豊富で、ボカロとの親和性も高く、ボカロを作りたい方には最適です。愛用している有名なアーティスト・ボカロPは、 DECO*27と40mP、中田ヤスタカなどがいます。
特徴:
- MIDIの打ち込み・編集が得意。
- 特にピアノロールの自由度が高く、ドラム、ベース、ストリングスなどの打ち込みが快適です。
- ボカロとの親和性が高い!
- VOCALOIDエディター(VST)との親和性が高く、Synthesizer V、AIボーカルとの連携もスムーズで、多くの有名ボカロPが愛用しています。
- スコア機能とオーケストラ対応も優秀
- MIDIを五線譜としてリアルタイム表示し、編集可能なスコアエディターを搭載しています。そのままパート譜として使用・印刷ができます。
- MIDIを五線譜としてリアルタイム表示し、編集可能なスコアエディターを搭載しています。そのままパート譜として使用・印刷ができます。
Cubaseには3つのグレードがあります:
エディション | 特徴 | 価格(公式参考) |
Cubase Elements | 入門版。基本的な機能のみ | 約13,000円 |
Cubase Artist | 中級者向け。ミックスや作編曲に強い | 約38,000円 |
Cubase Pro | 最上位版。プロ仕様の全機能 | 約63,000円 |
愛用アーティスト: DECO*27、40mP、中田ヤスタカ
Ableton Live(Windows/Mac)【EDM/テクノ/ライブパフォーマンス】
Ableton Live は、ドイツのAbleton社が開発したDAWで、ライブパフォーマンスや電子音楽の制作に特化した設計が特徴です。
「即興性」「直感的操作」「サウンドデザイン性」が非常に優れています。
愛用している有名な国内アーティストはSeiho(日本)やYaffle(日本)、海外アーティストではFlying Lotusなどがいます。
特徴:
- グレーを基調としたUIデザインと操作性がシンプル!
- セッションビューとアレンジメントビューの2面構造!
- セッションビュー(縦型のループベースのインターフェース)によって、リアルタイムで音源をクリップ(音やMIDIの素材)を編集できます。
- アレンジメントビュー(他のDAWと同様の横型のタイムライン)によって、セッションビューで試した素材を本格的に楽曲として仕上げられます。
- サウンドメイキングに強い!
- アナログ系シンセ「Analog」やウェーブテーブル合成「Wavetable」などのクロリティの高い付属音源とエフェクトを搭載しています。
愛用アーティスト: Seiho、Yaffle、Flying Lotus
FL Studio(Windows/Mac)【ヒップホップ/トラップ/Lo-Fi】
FL Studio は、Image-Line社(ベルギー)が開発したDAWで、特にヒップホップ/トラップ/EDM/Lo-Fiなどの打ち込み・ビートメイクに特化した音楽制作ソフトです。
打ち込みに特化したシンプルな操作性で、国内外のビートメイカーに幅広く支持されています。愛用している国内アーティストはZOT on the WAVE、海外アーティストはMurda Beatzなどがいます。
特徴:
- チャンネルラックでループを簡単に作成!
- インストゥルメント音源やサンプル音源を使って、視覚的・直感的にループを作成することができます。
- 付属プラグインが豊富!
- FL Studio を開発しているImage-Line社は、プラグインの作成にも携わっているため、付属のプラグインのクオリティが高いです。
- 永久無料アップデート!
- FL Studioは一度購入すれば、今後のバージョンアップは全て無料です。
FL studioには4つのグレードがあります。:
グレード | 特徴 | 価格(公式参考) |
Fruity Edition |
| 約¥13,000 |
Producer Edition |
| 約¥26,000 |
Signature Bundle |
| 約¥33,000 |
All Plugins Edition |
| 約¥59,000 |
愛用アーティスト: ZOT on the WAVE、Murda Beatz
Studio One(Windows/Mac)【ボカロ/YouTube/ポップス】
Studio Oneは、PreSonus社によって開発されたDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)で、軽量かつ高速な処理が魅力のソフトです。
近年、使いやすさと機能性の両立で人気を高めており、動画制作やYouTube活動にも対応しやすい構成で、宅録ユーザーにも人気です。
愛用しているアーティストは、八王子P、じん(自然の敵P)などがいます。
特徴:
- 直感的な操作性とモダンなインターフェース!
- ドラッグ&ドロップ中心の設計で、音源・プラグインの読み込み、トラック編集、オートメーションなどが素早くできます。
- 作曲からマスタリングまで一貫したワークフロー!
- ソングページ:作曲・録音・編曲
- マスターページ:マスタリング(CDや配信用に仕上げる)
- ショウページ:ライブ用セットリスト再生
- ボーカル編集機能「Melodyne Essential」付属!
- 業界標準のボーカル補正ソフトMelodyneが統合されており、タイミングやピッチの調整が自在にできます。
エディション | 特徴 | 価格(公式参考) |
Studio One Prime |
| 無料 |
Artist |
| 約¥13,000 |
Professional |
| 約¥28,000〜¥40,000 |
Studio One+(旧Sphere) |
| ¥1,500/月〜 |
愛用アーティスト: 八王子P、じん(自然の敵P)
Pro Tools(Windows/Mac)【バンド/レコーディング/劇伴】
Pro Toolsは、Avid Technology社が開発する世界的に標準化されたDAWで、特にプロのレコーディングスタジオや映画音楽制作、放送業界で広く採用されています。音質の高さと録音・編集・ミキシングの柔軟性において非常に評価の高いソフトです。
他のDAWと違い、DTMではなくレコーディングに特化しています。
アーティストよりもエンジニアの方に重宝されており、上級者向けのDAWとなっています。
特徴:
- 高品位な録音・編集・ミックス環境
- プロのレコーディングスタジオではマルチトラック録音(多数のマイクで同時録音)が主に使われることが多く、ボーカルや生楽器の同時録音に最適です。
- 業界標準のフォーマットと互換性
- 映像編集やサウンドデザイン業界では「Pro Tools形式」での納品が求められることがあります。
グレード | 概要 | 価格(税込・参考) |
Pro Tools Intro |
| 無料 |
Pro Tools Artist |
| 月額 ¥1,780 または 年額 ¥17,800 |
Pro Tools Studio |
| 月額 ¥3,880 または 年額 ¥38,800 |
Pro Tools Ultimate |
| 月額 ¥10,980 または 年額 ¥109,800 |
愛用アーティスト: イロハ(さらばルバート)、Heigo Tani(CO-FUSION / Wall5)
DAW別 比較早見表(対応OS・ジャンル・代表アーティスト)
DAW名 | 対応OS | 得意ジャンル | 主なアーティスト |
Logic Pro X | Mac | ポップス/R&B/ボカロ | Ayase、米津玄師、宇多田ヒカル |
Cubase | Windows / Mac | ボカロ/オーケストラ/アレンジ | DECO*27、40mP、中田ヤスタカ |
Ableton Live | Windows / Mac | EDM/テクノ/ライブ | Seiho、Yaffle |
FL Studio | Windows / Mac | HipHop/トラップ/Lo-Fi | ZOT on the WAVE、Murda Beatz |
Studio One | Windows / Mac | YouTube/ポップス/ボカロ | 八王子P、じん |
Pro Tools | Windows / Mac | バンド/レコーディング/劇伴 | イロハ、Heigo Tani |
初心者でも安心!無料で始められるDAW 3選
近年では無料とは思えないほど高性能なDAWも登場しており、初心者でもプロ顔負けの楽曲制作を楽しめる時代になっています。
ここでは、無料で使える代表的な3つのDAWを紹介します。
GarageBand(Macのみ)
Macユーザーであれば最初に触れておきたいのがこのGarageBand。
Appleが提供するこのDAWは、Macに標準搭載されているため、追加費用なしですぐに使い始められるのが魅力です。
直感的に使えるインターフェースと、Apple純正の高品質なループ素材・ソフト音源が揃っており、ギターやボーカル録音、EDM制作、ポッドキャスト収録まで対応可能。
iPadやiPhoneとの連携もスムーズで、モバイル環境でも制作が可能です。
Cakewalk by BandLab(Windowsのみ)
Windowsユーザーにとっての強力な味方がCakewalk by BandLabです。
かつての有料DAW「SONAR」の後継として、現在は完全無料で提供されています。
MIDI打ち込み、オーディオ録音、ミキシング、マスタリングまでプロフェッショナル仕様の機能が一通り揃っているのが最大の特徴です。
VSTプラグインや64ビットミキシングエンジンにも対応しており、無料でここまでできるのかと驚く完成度です。
Tracktion Waveform Free(Windows/Mac/Linux)
LinuxユーザーもOK!という点で注目されているのがTracktion Waveform Freeです。
3大OSすべてに対応しており、OSを選ばずにDTMを始めたい方に最適です。
ユニークなタイムライン設計と高いカスタマイズ性が魅力で、慣れれば他のDAWでは味わえない操作感を楽しめます。また、プラグイン対応やミキサー機能など、中級者以上にも応える機能性を持ち、自由な音楽制作を志すユーザーにおすすめです。
体験版を試すときの注意点|機能制限と保存の可否に気をつけよう
有料DAWの多くは、購入前にソフトの使用感を確かめられる「体験版(トライアル版)」を用意しています。
しかし、体験版には製品版とは異なる制限がある場合が多いため、事前に以下の点をしっかり確認しておくことが大切です。
保存・書き出し(エクスポート)の可否
一部の体験版では、作成したプロジェクトを保存できなかったり、WAVやMP3などに書き出せない場合があります。
せっかく作った楽曲を外部に持ち出せないのは非常にストレスになるため、制作を始める前に「保存/エクスポートが可能かどうか」を必ずチェックしましょう。
使用できる機能やプラグインの制限
製品版と同じインターフェースに見えても、一部機能がグレーアウトして使用できないケースや、プラグインが読み込めないことがあります。
特にシンセやエフェクトのプラグインが使えないと、音作りの幅が大きく制限されてしまいます。
試用期間の長さ
体験版には「7日間、14日間、30日間」などの期限付き制限があるのが一般的です。期間内に使い倒して自分に合うか見極める必要があります。
DAWによっては1回のみインストール可能な場合もあるため、最初の起動タイミングに注意が必要です。
自分の音楽をもっと広げたい?NORDERで作品を届けよう!
⇒NORDER (ノーダー) for Artists
完成した楽曲をそのままにしていませんか?
NORDER(ノーダー)は、アーティストのための音楽配信・プロモーション支援サービスです。
- Apple Music、Spotifyなどへの配信が簡単!
- 自分の音楽を収益化できる!
- セルフプロモーションにも強い味方!
「作るだけで終わらせない」-自分の作品を世に届けるために、次のステップとしてNORDERを活用してみましょう!