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グローバルヒットの鍵を握る!音楽業界で注目の『トリガーシティ』とは?

NORDIO 編集部
NORDIO 編集部
音楽業界
2025.07.01
NORDIO 編集部

音楽データ分析ツールを提供するChartmetricは、「トリガーシティ」に関する最新データを発表しました。

引用元:https://reports.chartmetric.com/trigger-cities/2024

「トリガーシティ」とは、アーティストの音楽がSNSでシェアされ、連鎖的に新たなファン層へ広がる力を持つ都市を指します。これらの都市は、多様な音楽嗜好や高いストリーミング利用率、そして高い人口密度が特徴です。

Chartmetricは、過去4年以内にデビューし、世界的に成功を収めた新人アーティストのSpotify月間リスナー数を分析し、その中で最もリスナーが多い30都市を「トリガーシティ」として選定しました。

本記事では、最新のトリガーシティデータを基に、これからの音楽市場のトレンドを探ります。

トリガーシティの影響力の大きさを示すマップ

このマップでは、各トリガーシティを影響力に応じて4つの層に分類しています。ピンクは第1層(最も影響力が大きい都市)、青が第2層、緑が第3層、黄色が第4層です。また、円の大きさは都市の人口を示しています。

第1層には、ジャカルタ、シドニー、メキシコシティ、サンティアゴ、リマ、ニューヨークの6都市が含まれています。

それぞれの都市の円をタップすると、その詳しい説明や人口、音楽ジャンルトップ5を見ることができます。例えば、東京は第3層に分類されており、マップ上の円をタップすると以下のように表示されます。

東京は世界でも有数の人口を持つ都市である一方、ストリーミングの利用率は低いことが指摘されています。それでも、近年ストリーミングの利用は急速に増加しているようです。トリガーシティとして選ばれた理由は、世界的な音楽消費への影響というよりも、その膨大な人口が主な要因とされています。また、日本では海外アーティストのシェアが8%未満と少ないですが、日本の音楽消費者はソーシャルメディアを活用に積極的である点が特徴的です。

最もトリガーシティが多いラテンアメリカ

ラテンアメリカは、トリガーシティが最も多く存在する地域として、近年の音楽業界において大きな影響力を持っています。この地域では、ストリーミングやソーシャルメディアの利用が特に活発で、新しい音楽が広がりやすい環境が整っています。もともとラテンアメリカでは、ローカルな音楽が主に消費されていましたが、最近ではレゲトンやラテン・トラップといったジャンルが世界的な人気を集め、地域を越えた音楽の消費が急速に拡大しています。

ラテンアメリカのトリガーシティは、人口の多さや音楽をシェアする文化の強さによって、アーティストが自然にファンを増やしやすいという特徴があります。さらに、スペイン語が広く使われていることも、この地域全体で音楽が急速に広まる要因となっています。

ラテンアメリカ市場の影響力の一例として、AfrobeatsアーティストのAyra Starrが挙げられます。彼女はレゲトンアーティストRauw Alejandroとのコラボ曲『Santa』で大きな成功を収め、ラテン市場におけるファンベースを急速に拡大しました。現在では、彼女のリスナーの多くがサンティアゴやリマ、ボゴタといった都市に集中しています。

サンティアゴ ( チリ )

例えば、ラテンアメリカの代表的なトリガーシティとして、最も影響力のある第一層に属するサンティアゴが挙げられます。

サンティアゴは南米で最大級の都市の一つで、ロックやポップ、エレクトロニックなど、現代の音楽ジャンルの中心地となっています。また、Lollapalooza Chileといった大規模な音楽フェスティバルも開催されており、新しい音楽に対する需要が非常に高い都市です。

さらに、サンティアゴはSpotifyの月間リスナー数で世界第2位を誇り、グローバルな音楽市場にも大きな影響を与えています。人気のある音楽ジャンルには、ポップ、ロック、ラテン、オルタナティブ、ラテンポップがあり、多彩な音楽が楽しめるのが特徴です。

若者を中心に急成長するアジアのトリガーシティ

アジアはラテンアメリカに次いで、トリガーシティが集中している地域です。特に東南アジアのインドネシアやフィリピンでは、若年層が多く、音楽ストリーミングやソーシャルメディアの利用が非常に活発です。一方、インドではストリーミング市場が急速に成長しているものの、国際メディアに対する制限の影響でローカルの音楽が急速に台頭し、国際的な音楽の影響力が弱まっています。

ラテンアメリカと同様にアジアのトリガーシティでは、人々が自分が好きな音楽だけでなく、友人がシェアした音楽も積極的に共有する傾向があります。また、近年はポップミュージックが急成長していますが、一方で非ローカルのヒップホップの人気が低下している点も注目すべきです。

さらに、アジアではPhonkというエレクトロニック音楽のサブジャンルが成功を収めており、S3BZSやINTERWORLDといったアーティストが大きな支持を集めています。例えば、S3BZSのリスナーの約42%がアジアに集中しており、彼がアルゼンチン出身であるにもかかわらず、アジア市場で広く受け入れられています。INTERWORLDも同様に、インドとインドネシアが彼のSpotifyリスナー数で上位にランクインしています。

ジャカルタ (インドネシア)

ジャカルタは、インドネシアの代表的なトリガーシティであり、アジアの音楽市場に大きな影響を与えています。特に、若年層の人口が多く、音楽の消費は主にYouTubeを通じて行われています。地元のアーティストがジャワ語などの地域言語で歌う動画が非常に人気を集めているのが特徴です。

また、ポップやダンス、R&Bといったジャンルが特に好まれていることも分かります。

まとめ

この記事では、近年の音楽業界で注目されている「トリガーシティ」について考察しました。トリガーシティとは、SNSを通じて音楽が連鎖的に広がり、アーティストが国際的に成功するための重要な拠点となる都市を指します。特にラテンアメリカやアジアでは、この「トリガーシティ」が音楽を広める上で大きな役割を果たしています。

ラテンアメリカでは、サンティアゴをはじめとした都市で、レゲトンやラテン・トラップが急速に普及し、SNSを通じて音楽を共有する文化が根付いています。一方、アジアでは、ジャカルタなどの都市を中心にYouTubeなどの動画プラットフォームを通じて新しい音楽が広がっており、特にPhonkが若い世代の間で人気を集めています。また、バンコクやシンガポールといった第二層の都市も、今後さらに注目される存在になるでしょう。

日本の新人アーティストがグローバルな舞台で飛躍するためには、こうした「トリガーシティ」に目を向け、そこからファンを増やしていくことが非常に大切です。これらの都市での成功が、国際的なキャリアへの大きなステップにつながるはずです。

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