EDMとは「Electronic Dance Music(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)」の略で、コンピューターやシンセサイザーを使って作られるダンス系音楽を指します。クラブや音楽フェスで欠かせない存在となっており、各種配信サービスでも人気のジャンルの1つです。こちらの記事では「EDMって何?」と思った人が最初に知っておきたい基本を解説しておきます。
EDMの定義

「EDMとはどんな音楽?」と聞かれたら、一言でいえば「体を動かしたくなるダンス音楽」です。ポップスのように歌がメインではなく、リズムやビートが中心に構成されています。繰り返しのフレーズやシンプルなメロディが多く、スポーツや勉強中のBGMとしても人気です。ポップやロックに比べてサウンドの自由度が高いのも特徴です。
EDMの歴史
EDMの歴史は1970年代のディスコミュージック、1980年代のハウスやテクノにさかのぼります。その後、2000年代にクラブ文化やDJの活躍とともに世界的に広がりました。その後2010年代に入ると、これらのジャンルにポップ・ミュージックの要素が融合しEDMとして世界的なブームを巻き起こしました。その後も他のジャンルと組み合わさりながら、発展を続けています。
EDMの中のジャンル区分
EDMは複数の音楽スタイルをまとめた総称です。そのサウンドの特徴によって細かいジャンルの分け方があります。代表的なジャンルとして、
- ハウス(House)
- トランス(Trance)
- ダブステップ(Dubstep)
- フューチャーベース(Futer Bass)
などがあります。
ハウスは4つ打ちの心地よいビートが特徴となっています。トランスはハウスの派生として誕生したものであり、反復的なフレーズを基調としています。ダブステップは重低音と変則的なリズムを特徴としており、一般的にやや暗め、重めの印象を持たせます。フューチャーベースはポップに近い柔らかい雰囲気を持っており、心地よいサウンドが特徴です。
▼フューチャーベースに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
EDMで有名な曲
有名なEDM曲の代表例として、Aviciiの「Wake Me Up」やZeddの「Clarity」などが挙げられます。どちらも2010年代にリリースされた曲であり、当時世界的な大ヒットを記録しました。これらの楽曲はEDMの枠組みを超えて幅広く知られており、多くの人がEDMに触れるきっかけとなりました。
Wake Me Up - Avicii
Clarity - Zedd
クラブ定番のEDM曲
EDMは、「体を動かしたくなるダンス・ミュージック」としてクラブで流されることが多いです。ここでは、よくクラブで流れている定番のEDM曲をいくつか紹介します。
Animals - Martin Garrix
2013年にリリースされた、当時17歳のMartin Garrixを一躍スターダムに押し上げた代表曲です。
キャッチーで中毒性のあるシンセサイザーのメロディーと、パワフルなドロップが特徴で、EDMフェスティバルでは必ずと言っていいほどプレイされる定番曲となりました。ボーカルが入っていないインストゥルメンタル曲でありながら世界的な大ヒットを記録し、EDMシーンに大きな影響を与えました。
Party Rock Anthem ft. Lauren Bennett, GoonRock - LMFAO
LMFAOの代表曲であり、2011年に世界中で大ヒットしたパーティーアンセムです。
映画『28日後...』をパロディーにしたユニークなミュージックビデオも話題となり、「シャッフルダンス」を世界的に流行させました。底抜けに明るく、聴いているだけで誰もが楽しくなるような、パーティーに欠かせない一曲です。
I Took a Pill in Ibiza (Seeb Remix) - Mike Posner
シンガーソングライターのMike Posnerが、キャリアの浮き沈みや華やかな生活の裏にある葛藤を赤裸々に歌った楽曲です。
オリジナルのアコースティックなバージョンに加え、ノルウェーのプロデューサーデュオSeebが手掛けたトロピカルハウス調のリミックス版が世界的に大ヒットしました。軽快なサウンドと内省的な歌詞のギャップが、多くの人々の共感を呼びました。
おすすめの人気EDMアーティスト
上に述べた通り、一口にEDMと言ってもその中のジャンルが幅広く、ご自身の好みによって好きなEDMのアーティストは変わるでしょう。
ここで国内外の有名アーティストを数人紹介します。あなたの好きなEDMアーティストを見つけるきっかけとなると幸いです。
海外の有名なEDMアーティスト
Marshmello(マシュメロ)
マシュマロの形をしたボックス型のマスクを被った覆面姿が特徴的なMarshmelloは、「Alone」のような思春期の葛藤をテーマにした曲などで共感を呼び世界的な人気アーティストとなった。
セレーナ・ゴメスやロジックなど様々なアーティストともコラボし、唯一無二の音楽を生み出し続けている。
代表曲
The Chainsmokers(ザ・チェインスモーカーズ)
The Chainsmokersは、Andrew TaggartとAlex Pallの2人からなるアメリカ出身のDJ&プロデューサーのデュオです。EDMにポップを組み合わせた聴きやすいスタイルが特徴であり、「Closer」で大ヒットを記録しました。その後Coldplayとのコラボ曲「Something Just Like this」もヒットし、若者を中心に絶大な人気を誇っています。
代表曲
- Closer
- Something Just Like This(Coldplayとのコラボ曲)
- You Owe Me
Alan Walker (アラン・ウォーカー)
Alan Walkerはノルウェー出身のDJ&音楽プロデューサーです。EDMの中でもメロディアスで幻想的な雰囲気が特徴です。フード付きパーカーとマスク姿でのパフォーマンスも有名で、独特な世界観を持っています。
代表曲
日本の有名なEDMアーティスト
banvox
東京を拠点に国内外で活動するbonvoxは、ヒップホップをルーツに持ちながら、エレクトロやポップを自在に融合させたサウンドが特徴です。David GuettaやSteve Aokiといった世界的DJからも支持され、海外フェスにも出演しており、日本発のEDMアーティストとして国際的に評価されています。
代表曲
KSUKE
KSUKE(ケースケ)は、YouTubeに投稿したリミックスで注目を集め、ワーナーミュージックと契約後は本格的に世界へ進出しました。EDMにポップやロックの要素を取り入れたキャッチーなサウンドが特徴です。Ultra Music Festivalなどの大型フェスにも出演し、海外アーティストとのコラボも実現しました。
代表曲
Daishi Dance
札幌出身のアーティストであり、ジブリのリミックスアルバムで一躍有名になりました。ピアノやストリングスを取り入れた壮大なハウス・ミュージックが特徴です。ダンスフロアを熱狂させる力強いビートと、美しいメロディが融合しており、クラブミュージックでありながらリスナーの心に深く響く独自の世界観を築いています。J-POPアーティストへの楽曲提供やリミックスも手掛けており、幅広い層から支持を得ています。
代表曲
まとめ
いかがでしたでしょうか。EDMは電子楽器を使用して作られるダンス音楽です。多様なサブジャンルやアーティストが存在するため、ご自身の好みの音楽を探す楽しさがあります。今回ご紹介した楽曲やアーティストを参考に、ぜひEDMの世界を深く知っていただけると幸いです。