テレビやSNSでアーティストの来歴を紹介する際に、「ファンク」の影響を受けていることを耳にしたりしませんか?
この記事では、音楽をあまり知らない方でもわかりやすく「ファンク」について解説します。
普段ポップスやロックを聴いてる方にとって、馴染みがない言葉かもしれません。しかし、あの有名なアーティストや曲も、実は「ファンク」の影響を受けているのかもしれません。
この記事を通じて、より音楽を好きなるきっかけになれば幸いです。
ファンク(Funk)とは?
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ファンクってどんな音楽?
ファンクをひとことで言うと、「ノリとリズムに全振りした、踊るための音楽」です。
普通のポップスやロックは、メロディーが一番に聴こえてきます。でもファンクは違います。ボーカルやメロディーよりも、ベースとドラムが刻む「リズム」が主役です。
このリズムが重なり合うことで、聴いている人の身体を自然と揺らすような、中毒性のある「グルーヴ」が生まれます。これがファンクの「ノリ」の正体です。
名前の由来
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ファンクという言葉の由来は、もともと「土っぽい、汗臭い、カビ臭い」といった、強い匂いを意味する俗語です。
これが音楽の世界で使われるようになったのは、ジャズやブルースの時代です。
ミュージシャンたちは、洗練された音楽とは対照的に、魂のこもった、力強く、どこか土臭い演奏を表現する際に「Funky(ファンキー)」という言葉を使い始めました。
つまり、ファンクは「キレイな音楽」ではなく、汗をかくほど踊りたくなるような「土臭くて、ソウルフルなノリ」を持った音楽だ、という意味が込められているんです。
誕生した経緯
ファンクのルーツは、1950年代から1960年代初頭にかけて人気を博していたR&Bやソウル・ミュージックにあります。
1960年代中盤までの主流だったソウル・ミュージックは、美しいメロディーと歌声、そして感動的なコード進行が中心でした。
しかし、しかし、その音楽の「ノリ」を根本から変えたのが、ジェームス・ブラウンでした。
彼は「1拍目(最初の音)」をすべての楽器が強調するリズムの捉え方、「オン・ザ・ワン」(On the One)を広めました。これにより、バンドサウンド全体にグルーヴを与えて、聴く人の体を動かしてしまいます。
彼の曲である「Cold Sweat」は、繰り返されるベースのリフ、パーカッシブなギター、そして短いホーンのフレーズが、中毒性のあるリズムを創り出した。
この曲をきっかけに、彼の音楽は「ファンク」と呼ばれ、後に音楽ジャンルへと昇華しました。
ファンクの魅力
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ファンクの最大の魅力は、理屈抜きで身体が動き出す「ノリの良さ」です。
楽器一つ一つが異なるリズムを刻みながらも、全体として一つにまとまり、強力なグルーヴを生み出します。このリズムの複雑さが、一度ハマると抜け出せなくなるほどの快感を与えてくれます。難しく考えず、感じるままに身体を揺らすのが、ファンクの正しい楽しみ方です。
ファンクの代表的なアーティスト
ファンクを聴いてみたいなら、この3組から入ってみましょう。
ジェームス・ブラウン
前述した彼は、「ファンクの生みの親」として知られており、多くのアーティストに影響を与えました。
スライ&ザ・ファミリー・ストーン
Sly & The Family Stone - Everyday People (Official Video)
ロックやポップの要素も取り入れて、ファンクの多様性を知るきっかけになるバンドです。聴きやすく、ポップス好きの方にもおすすめです。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
Red Hot Chili Peppers - Can't Stop [Official Music Video]
このバンドは、ファンクの影響を強く受けており、後のサウンドに大きな影響を与えました。
特に、ベースのフリーが弾く跳ねるようなラインは、まさにファンクのノリそのもの。普段レッチリを聴いているなら、ファンクにもきっとハマるはずです。
ファンクと他のジャンルとの違い
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ポップスやロックは、基本的に「歌」や「ギターソロ」が聴きどころですよね。
でもファンクは、そうした要素よりも、ベースやドラムが作る「リズム」が主役。この点が一番大きな違いです。
このファンクのリズムは、その後の様々なジャンルに大きな影響を与えました。あなたの好きな音楽が、ファンクというルーツを持つかもしれないと思うと、もっと面白くなりませんか?
ファンクが与えた影響
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ファンクの「ノリ」は、音楽の歴史に大きな影響を与え、様々なジャンルの誕生に貢献しました。
- ディスコ
「踊るための音楽」であるファンクのグルーヴを、さらにクラブのダンスフロア向けに発展させたのがディスコです。 - ヒップホップ
ヒップホップのDJが、ファンクのレコードからドラム部分だけを抜き出してループさせることで、ラップの土台となる「ビート」を生み出しました。 - ロック
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの他にも、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのようにファンクのリズムをロックに取り入れたバンドはたくさんあります。
まとめ
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ファンクは、メロディーではなく「ノリ」を聴く音楽です。
ファンクは、単なるひとつの音楽ジャンルではありません。それは、リズムを主役にするという「新しい音楽の考え方」そのものであり、その後の音楽シーン全体を大きく動かした革命でした。
もしあなたが「この曲、なんかノリがいいな」と感じたら、そのグルーヴの裏にはファンクの遺伝子が隠されているかもしれません。そう考えると、普段聴いている音楽が、もっと面白く、奥深く感じられるはずです。